☆誕生のきっかけ"
平成15年秋、旧佐伯市のエンゼルプラン推進委員が、当時策定したプランの柱である子どもが心豊かにいきいき育つまちを推進するため、委員会(行政福祉分野)と民間団体等の協同団体「夢舞台実行委員会」を立ち上げ、親子の鑑賞事業を実施しました。
平成16年12月8日冬の夜。旧佐伯市のエンゼルプラン推進委員会が主催となった夢舞台「王さまとまほうつかいのチョモチョモ」の舞台公演は佐伯文化会館の大ホール1,300席が子どもたちの笑顔でいっぱいとなる大盛況でした。
公演が終了し、歌声がホールに響き、主催の代表は子どもたちへのメッセージをこう伝えました「このまちが、子どもたちの夢舞台となりますように」
その時です。会場の袖から、笑顔で満席となったその席を見上げ、1,300席という数字が何かと同じであることを、ふと思い出しました。ご存じですか?
そう、席の数1,300は、旧佐伯市の太平洋戦争の戦没者の数とほぼ同じと言われています。(佐伯市誌によると1,299人)
おりしも、時は12月8日。世界が忘れてはならない悲しみの始まりの日、真珠湾攻撃の日でした。瞬時に太平洋戦争で亡くなった方々の顔を思い巡らせました。
ただ、どうしてでしょう、その顔は戦地での悲痛にゆがんだ顔ではなく。灰色の影を背負う瞳でもありません。拍手を、心から拍手を、このまちの子どもたちに、夢と希望を託す祈りのような、そんな拍手が聞こえてきたように思えたのです。
そして、「この日を忘れまい。」その一言が頭によぎりました。この日は、ひとつの偶然の日でした。しかし、私たちは、あの日に、舞台を呼んだのではなく、舞台に呼ばれた気がしてなりません。
このまちの大人たちが手をつなぎ、子どもたちに夢のある時間をつなぎたい。亡くなった 1,300の命と、今ここに存在する1,300の命を心から大切に想い、そして忘れまいと思いながら平和への想い、そして子どもたちに、大人たちに、夢のあるまちづくりへの想いをつなげていきたいと思います。